日商簿記検定2級「工業簿記」攻略とらの巻

本ブログでは、日商簿記検定2級「工業簿記」について分かりやすく解説します。

日商簿記検定2級「工業簿記」攻略とらの巻 ⑥「中身」の話、材料費の計算

⑥「中身」の話、材料費の計算

 材料費の計算は、以下のように行われます。

材料費 = 消費単価 × 消費数量

 

 消費単価の決定方法については、商業簿記における棚卸資産仕入単価の場合とほぼ同じで、先入先出法と平均法があります。

 上図のように、消費単価が徐々に高騰している場合、製造過程投入分に比較的安い初期の消費単価を割り当てる場合と、平均単価を割り当てる場合とでは製造原価の値が違ってきます。

 

 消費単価の算定方法の選択によって、「③製品期末棚卸高」と「④製品売上原価」の間の仕切が異なってきます。高い消費単価の材料が製造原価に入っているとすると、「③製品期末棚卸高」は小さく、「④製品売上原価」は大きくなります。その結果、「⑤当期売上高」と「④製品売上原価」との差額である「⑥売上総利益」は小さくなります。

 逆に、安い消費単価の材料が製造原価に入っているとすると、「③製品期末棚卸高」は大きく、「④製品売上原価」は小さくなります。その結果、「⑤当期売上高」と「④製品売上原価」との差額である「⑥売上総利益」は大きくなります。