日商簿記検定2級「工業簿記」攻略とらの巻

本ブログでは、日商簿記検定2級「工業簿記」について分かりやすく解説します。

日商簿記検定2級「工業簿記」攻略とらの巻 ⑤「中身」と「器」の接点、直接材料費・間接材料費と「仕掛品」・「製造間接費」

⑤「中身」と「器」の接点、直接材料費・間接材料費と「仕掛品」・「製造間接費」

 今回は、直接材料費と間接材料費について、その勘定記入、つまり「器」との接点について解説します。まずは、「中身」の話です。材料費をはじめ、労務費、経費もそれぞれ、直接費と間接費に分類されます。材料費の場合は、直接材料費と間接材料費になります。

 次は、「器」の話です。直接材料費は、具体的には主要材料費と買入部品費です。つまり、「直接」、製品に入っていく材料です。一方、関節材料費は、補助材料費、工場消耗品費、消耗工具器具備品費です。こちらは、製品に直接入っていくわけではなく、その製造に必要な「モノ」です。

 

 次に「器」の話です。材料が調達されると「材料」勘定に借方記入されます。仮に現金払いで100,000円で購入されたとすると、仕訳は以下の通りです。

(借方)材 料 100,000円  (貸方)現 金 100,000円

 

 これは、調達先からの購入なので、外部取引です。したがって、商業簿記での「商品」の仕入れの際と同じで、「材料」という資産を受け入れ、「現金」という資産が減少したことを示す仕訳です。

 仮に、主要材料と買入部品、合計50,000円が製造過程に投入されると、以下のよう「仕掛品」勘定に借方記入され、「材料」勘定に貸方記入されます。これは、工業簿記固有の内部取引です。

(借方)仕掛品 50,000円  (貸方)材 料 50,000円

 

 そして、補助材料、工場消耗品、消耗工具器具備品、合計30,000円が製造過程に投入される場合には、下のよう「製造間接費」勘定に借方記入され、「材料」勘定に貸方記入されます。これも、工業簿記固有の内部取引です。

(借方)製造間接費 30,000円  (貸方)材 料 50,000円


 最終的には「製造間接費」勘定の借方の数字は、「仕掛品」勘定に借方記入されます(「製造間接費」勘定には貸方記入されます)。これについては、少し先の回で説明します。さらに、完成して製造工程から製品倉庫に移される製品は、「製品」勘定に借方記入されます(「仕掛品」勘定には貸方記入されます)。これについても、少し先の回で説明します。