日商簿記検定2級「工業簿記」攻略とらの巻

本ブログでは、日商簿記検定2級「工業簿記」について分かりやすく解説します。

日商簿記検定2級「工業簿記」攻略とらの巻 ②まずは「中身」の話、原価要素

②まずは「中身」の話、原価要素

 まずは、原価計算の第一歩、原価要素について説明します。原価計算では、原価をまず次の3つに分類します。ここでは、シャツ工場を前提に説明します。

材料費 シャツの原料の布など

労務費 働く人たちの賃金・給料

経費 その他 裁断、縫製の機械の減価償却

 この3つの要素が「加工」によって製品となります。モノとカネの対流として表したものが下図です。

 ここで注意しなければならないのは、「材料費」は、原材料という形のある物であることが多いのに対して、「労務費」は人の労働力、「経費」は裁断、縫製の機械の減価償却費というように形のあるものではありません。そこで、「モノ」としています。

 製品については、形のある物である場合もありますし、無形のサービスである場合もあるので、「モノ」としています。

 材料費、労務費、経費の3要素を出発点として、製品の原価を計算するのが原価計算です。3要素の「調達」については、外部取引ですが、3要素により「加工」して製品に至るまでのプロセスは内部取引です。原価計算は、本来、簿記上で計算する必要はありません。しかし、それを簿記上で行うのが工業簿記です。